2011年04月14日

★闘牛百話119.闘牛界の課題について(その2)ー沖縄らしさー

★闘牛百話119.闘牛界の課題について(その2)ー沖縄らしさー

闘牛界の課題について、その2は「沖縄らしさ」について取り上げたいと思います。

アイデンティティーとか、ルーツという言葉が使われるようになって久しいですが、簡単に言うと、その地域らしさ、とか、その地域に元々あるもの、という意味ですよね。

闘牛についても、まさに沖縄らしさとか、沖縄に元々あるものが出せないと、次の世代に引き継いで行けないのではないかと、年々思うようになってきました。

人間年を取ると、段々、自分が楽しむということよりも、この楽しみを孫子の時代に引き継いでいきたいと思う気持ちの方が強くなってくるのでしょうか。

何が沖縄らしさか、という話になる前に、何故沖縄らしさが必要か、という話をしたいと思います。

闘牛は、全国各地にある風俗・文化ではなく、新潟県の小千谷市島根県は隠岐の島愛媛県は宇和島市鹿児島県は徳之島地方、そして、沖縄県全域と、限られた地域で発展し、伝わってきた伝統文化です。

この闘牛文化が発展・継承されるためには、それぞれの地域が、それぞれの地域の個性を生かして発展していかなければ、闘牛は廃れていくのではないかと思います。

どこに行っても闘牛は同じとなれば、新潟の人は、沖縄の闘牛を観たいとは思わないでしょうし、同じく、沖縄の人は、わざわざ新潟に行ってまで闘牛を観たいとは思わないでしょう。

闘牛の発展・継承は、ひとえに、その地域地域の特性・個性を生かした発展を模索することが大事だと思います。

もう少しはっきり言うと、お隣の徳之島と沖縄は、近くて交流が盛んなだけに、同質化し易く、違いが分かりにくくなる傾向にあります。

この互いに小さな島が発展していくためには、同じではなく、近いけれども、全然違う、どちらを観ても新鮮な感じを受ける、というような文化を造り維持していかなければならないのではないかと思います。

ですから、沖縄らしさが必要ではないかと思うのです。

そこで、どの様な沖縄らしさが必要かという点ですが、

越後闘牛の特徴は、赤くて大型で、角が鋭く長い、いわゆる南部牛(日本短角種)です。
★闘牛百話119.闘牛界の課題について(その2)ー沖縄らしさー


中越地震を経験した闘天赤富士



隠岐の島の牛は、角が槍のように真っ直ぐに加工されていることと、試合の際は、一頭の牛には、一人の勢子が最後まで付くという決まりがあります。

宇和島は、主に隠岐産の牛が中心でしたが、近年は、新潟や徳之島、沖縄の牛も導入されるようになってきました。

徳之島の特徴は、応援団の凄さと、休養たっぷりの荒牛、技牛が多いことです。

そして、沖縄はというと、牛の多さと、それに比例して開催日の多さが挙げられ、更に、あらゆる角の形、毛色、品種が揃う、牛の万国博覧会的な多様性です。
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パンダ牛



もう少し、具体的に違いを言うと、他の地域では、牛を扱う人のことを勢子(せこ)と呼びますが、沖縄では闘牛士と呼びます。これは、ウシオーラサーの標準語訳です。

最近では、リングアナウンサーも、闘牛士を勢子と呼んでいますが、これは、闘牛士に戻す方が良いと思います。

また、徳之島でチャンピオン牛を、全島一と呼びますが、沖縄では横綱と呼んでいました。最近は全島一という表現に変わりましたが、これも横綱で良いのではないかと思います。

また、沖縄の応援は、比較的おとなしいため、お隣の徳之島の、ワイド、ワイドの掛け声とラッパの応援が取り入れられるようになりましたが、元々は、闘牛場での音は、鐘と太鼓のコラボレーションでしたし、勝ち牛の主のパフォーマンスは、背に乗った「シタイヒャー」の勝鬨の雄叫びと、主の家族、特にオカーやオバーのカチャーシーが定番でした。
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勝ち牛の背に乗る子供たち



他の地域の良さは、学ぶべき点が大いにありますが、それをそのまま真似るのではなく、その良さやエッセンスを、沖縄的に取り入れることが大事だと思います。

さて、皆さんは、どのようにお考えになりますか?



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