2018年11月07日

★闘牛百話(429)沖縄闘牛の方向性(5)-これからの全島大会の在り方!!ファン投票の導入を!!-

★闘牛百話(429)沖縄闘牛の方向性(5)-これからの全島大会の在り方!!ファン投票の導入を!!-

これまで、4回に渡って沖縄闘牛の歴史を様々な角度から振返りながら今後の方向性に繋がるような整理をしてきました。

最終章の今回は、沖縄闘牛の祭典とも言える春秋の全島大会の在り方について私見をまとめたいと思います。

沖縄全島一出場を義務付けられているのは、春と秋の全島大会の2回です(夏の全島は、中量級と軽量級のみです)。

つまり、各地で開催される単位組合の地方大会興業は、全島大会に向けたサバイバル戦と位置づけることが出来ます。

牛主の多くは、全島大会への出場を目指し、3階級の王者への挑戦権を得るために日夜牛を鍛え家族仲間愛情をこめて飼育していきます。

一方、闘牛ファンは、全島大会の横綱戦の組み合わせを話題にし、後世に語り継がれるような名場面を期待します。

また、3階級の全島一優勝旗争奪戦以外の組み合わせについても、全島大会でないと観れないような好取組を期待しています。

全島大会は、このように牛主からも、闘牛ファンからも、熱い思いを込められた特別な大会なのです。

闘牛振興を考えるときに、一番気を付けなければならないことは、観光客ではなく、地元の人が楽しむこと!

あくまでも地元客が楽しむ延長線上観光客の集客があると思います。

地元の人たちにとって「胸弾み心躍るイベント」でなくては観光客も来ないでしょう。

特に、ウシカリヤーが減り、闘牛の絶対数も減っている現状で、闘牛大会が減って来ても、闘牛ファン全島大会への期待はいささかも翳りを見せていません。

に、減っているからこそ、全島大会でしか観られないような「胸弾み心躍る」ような激戦名場面期待するようになっていると言っても過言ではないでしょう。

闘牛界を取り巻く環境が厳しくなっている中で、ファンが沢山集まるような大会、ファンの期待に応えられるような大会を運営するためにはどうしたら良いのか?

ということは、大会関係者でなくとも、ファンであっても知恵を出して考えなければならない大きな課題だと思います。

そこで、以前から多くの方々が提案している内容を整理して、私見を含めてまとめてみました。

★闘牛百話(429)沖縄闘牛の方向性(5)-これからの全島大会の在り方!!ファン投票の導入を!!-




1.全島大会を、よりファンが期待する組合せに近づけるために、ファン投票の仕組みを取り入れて頂きたいと思います。

つまり、ファンが組み合わせに参加することで、自分が選んだ牛を応援するためにより多くのファンが全島大会に足を運ぶようになるのではないでしょうか。

直近の数大会でアンケート用紙を配り、ファンが期待する取り組みを募集する。

本当は、連合会がHPを運営できれば良いのですが、それが無理ならうるま市等のHPを借りてアンケートを集計するというのも手だと思います。


2.同じ牛主の所有する牛でもファン投票上位の牛であれば出場を認めるというのは如何でしょうか。

牛が多かった以前なら同じ牛主が2頭出すのは不公平という考え方もあったと思いますが、ファンが期待する対戦を組むためには、 これまでの慣習も改定する必要があるのではないかと思います。
    
牛主間の不公平感よりも、ファンが集まる組合せを作ることを最重要視する必要があるのではないかと思います。


3.全島大会の出場牛は、原則として前場所で勝利している牛であることを条件にしてはどうでしょうか。

全島大会がそれまでの大会のサバイバル戦であるなら、やはり前場所で勝ち上がった牛を出場させる方がファンの期待も高まるでしょう。

かつての全島大会の醍醐味は、特に若牛の全勝対決でした。負けを知らない牛達の対決は全島でしかみれない好取組の連続でした。

先場所の勝ちを条件にすると出場牛が限られる!という状況が出てくるなら、出場牛を減らすことも必要ではないかと思います。いつまでも牛が沢山いた頃13組と同じでは全島大会の質を落としかねないと思います。

直近の場所で敗れていても例外的に出場できる場合とは、それでもファンが出場を熱望するようなファン投票で上位の組み合わせとなった場合です。


4.横綱が王座を返上する場合は、理由を明確にして事前に公表してはどうでしょうか。

今回もそうでしたが、理由が分からないまま新王座決定戦と言われてもファンとしては納得ができない場合が多いのが現状です。


5.ファン投票の上位牛が出場を辞退する場合も、可能な限り、体調不良、怪我、トレードで沖縄に所属していないなどを明らかにした方がいいのではないでしょうか。

横綱に理由を明確にすることを求めることは当然だと思いますが、一般の牛を同様に扱うことは難しい面もあると思われることから、一般牛の場合は「可能な限り」に止めるのが妥当でしょうか。


6.横綱戦に出場する牛のサバイバル戦の様子や、全出場牛のプロモーションビデを放映するのはどうでしょうか。

早くから入場するファンを退屈させないための工夫は、今でも様々なアトラクションのバリエーション(マーティングバンド、琉舞、獅子舞、ベリーダンス等)が増えていて大好評ですが、やはり全島ならではのファンサービスとしては、闘牛の映像が一番だと思います。
   
コストの面は、スポンサーを募り一般にも販売するとか、出場牛への記念品にするとか、工夫の余地はありそうです。


以上が、現在考えられる案ですが、一気に全部は無理でも、検討の余地はないでしょうか。

沖縄の伝統文化である闘牛を衰退させずに、未来に向かって振興していくためにも、少しづつ実現の方向に向かっていければ良いと思います。 

-完-


※最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。



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