2010年11月13日

闘牛百話107.終わりなき「ゆかり号」伝説の第3章第1節!

★闘牛百話107.終わりなき「ゆかり号」伝説の第3章第1節!

いよいよ明日は、闘牛ファン注目の秋の全島大会です。

既にお伝えのように、シーの大一番は、ゆかり号対荒風号です。

「この牛を語らずして沖縄の闘牛は語れない」と言われる名牛初代ゆかり号

類稀な勝負根性を見せ、第二次闘牛ブームを支えた二代目ゆかり号。

ゆかり号という名は、横綱になることを宿命付けられた偉大な名前であると同時に、沖縄の闘牛ファンの心を否応なしに躍らせ、興奮させる名前なのです。

沖縄のアラフォー世代のゆかりさんは、その多くが初代ゆかり号の名前に由来しています。当時のオジー、オバー達は、孫娘の名前に競って「ゆかり」と付けていたと言いますからその人気の凄さが分かるでしょう。

TVでも取り上げられた白龍の登場で、再び火がついた闘牛ブームを支えたのが二代目ゆかり号でした。20年に一頭の素材と言われた新和王との激戦は、今でも語り草になっています。

さて、三代目ゆかり号の登場も劇的でした。山川パンダという名前で今帰仁でデビューし、その素質を買われて徳之島にトレードされたものの、練習中に角を折るという不運に見舞われ、沖縄に戻ってきたところを、今の牛主に見出され、ゆかり号を襲名しました。春の全島大会では、左角を折りながらも王者を圧倒し、見事横綱の地位に昇り詰めました。

初代から3代目までのゆかり号の特徴は、低い重心としっかりした四肢の作り、首力の凄さに加えて、類まれな闘志です。二代目を何度も見た私個人の感想を言わせて頂くと、二代目と三代目の共通点は、これらに加えて、眼力の凄さです。

大きなつぶらな瞳と相手を睨む時の鋭い眼光が、二代目を彷彿させるほど酷似しています。春の全島大会の勝利後のゆかり号の姿は、思わず、時間が20年前にタイムスリップしたかのような錯覚を覚えました。

一方の荒風号は、ゆかり号引退後の群雄割拠の時代を制し、デビューから20連勝という空前絶後の記録を記したした名横綱です。通産29勝1敗という記録は、沖縄闘牛界の歴史の中でも注目されるべき記録です。

驚くべきは、闘牛沖縄ガイドブックの写真にもありますが、当時の荒風号は、鼻綱も外したままで写真に映っています。激しい荒技を繰り出す猛牛が、普段は鼻綱を外しても扱えるくらいの牛だったのです。

荒岩号に始まり、荒風号、新和トガイー、新和王等、沖縄闘牛の歴史の中で、10頭の横綱を輩出した名門中の名門の挑戦者陣営。

名門の歴史をかけて、荒風号の名前をつけて王者ゆかり号に臨んできました。

我々闘牛ファンは、この世紀の闘いを見届ける義務があるでしょう。

どうか万全の体調で臨んで欲しいと願わずはいられません。

さあ!その時は、明日に迫っています。


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Posted by ゆかり号 at 20:27 │闘牛