2011年05月08日

★闘牛百話125.春の全島闘牛大会の結果

★闘牛百話125.春の全島闘牛大会の結果

第95回春の全島闘牛大会が、石川多目的ドームで開催されました。

正午からの対戦開始でしたが、一時間前の午前11時には、9割方席が埋まるという大盛況。約5千人のファンが沖縄闘牛の醍醐味を堪能しました。

オープニングは、地元の与勝中学校マーチングバンド部のパフォーマンス。様々な大会で金賞を受賞してきた実力派です。
★闘牛百話125.春の全島闘牛大会の結果


★闘牛百話125.春の全島闘牛大会の結果




開会式は、東日本大震災で尊い命を亡くされた方々への黙祷が捧げられ、連合会長の挨拶も、闘牛の話よりも、震災後の3月の大会から、復興支援のための資金造成大会として各大会を運営してきたことや、復興に向けた闘牛界の被災者支援策等が熱く語られました。

取組の途中では、日本赤十字社の沖縄支部へ、3月以降の大会の入場料の一部各単位組合からの義援金及び場内の募金活動で集まった義援金が渡されました。
★闘牛百話125.春の全島闘牛大会の結果




大会は、スリリングな短期決戦の連続で、瞬きする間もないくらいの大激戦となりました。シーの大一番から振り返ってみたいと思います。

<シーの一番>

どちらが勝っても10分以内と予想しましたが、15分を超える大激戦に

カブラー気味の下向きの角を持つ横綱荒風号と、湾曲したガン角気味の古堅モーターズ号は、それぞれの角の特徴を活かした割り合戦を展開。

組んでは離れ、離れては組んで、互いに割り技を多用し、圧力をかけ合いながら、隙をみて懐に飛び込む大激戦

目まぐるしく攻守が入れ替わり、挑戦者の闘志が萎えるかと思いきや、激しい割り技で横綱の体をくの字にするなど、一体どのような結末を迎えるのか予測不能の激戦に。

現王者の意地か、元王者の貫録か、どっちだ!という展開で迎えた15分過ぎ、最後は闘志の差だろうという解説者の予想どおり、スタミナの切れかけた挑戦者が引き気味になり、激戦に終止符が打たれました。
★闘牛百話125.春の全島闘牛大会の結果

口を開け、肩で息をする荒風号、闘いの凄まじさを物語っています。



<シーの3番>

中量級全島一は、王者一心力に、3戦全勝で鋭く長い角を持つ東山大力が挑戦。

大力の先制攻撃でもしやと思われた次の瞬間、目にも止まらぬ早業で、一心力豪快な腹取りが炸裂。一瞬のうちに勝負が決まりました。
★闘牛百話125.春の全島闘牛大会の結果

瞬刹とはまさにこのこと。一心力の激しい打倒し。


研ぎ澄まされた一心力の集中力に、場内に稲妻のような衝撃が走りました。
★闘牛百話125.春の全島闘牛大会の結果

化粧まわしも見事です。




<シーの4番戦>

守りの堅い王者闘将☆メカの牙城を崩すのは容易ではないと見ていましたが、成龍號が激しい割り技の連発で終始攻め続け、大会一の長期戦に
★闘牛百話125.春の全島闘牛大会の結果

挑戦者の攻めをがっちり受け止める王者(右)



ガツンガツン激しい割り技を連発し、下から押し上げるようにして、再三再四王者を土手際に持って行きそうになる展開を演出した挑戦者。

激しい技を繰り返すたびに、王者に跳ね返され、激しく横っぱらが波打つ厳しい展開に、やはりメカの守りには勝てないか?と思われた18分過ぎ、衰えぬ気迫に押されたように引き気味になるメカを激しい腹取りから横転させ、成龍號が王座を奪取

しばらく起き上がれないほどのショックをメカに与えました。


<シーの2番戦>

巨体と鋭く長い角同士の戦いは、離れては組み、組んでは離れる打撃戦に。
★闘牛百話125.春の全島闘牛大会の結果

大嵩写真館号(左)VS丸石白龍


組むと互いに傷つけ合う形状の角のため、どうしても離れて割り技を繰り出す試合展開になり、最後まで怯まず攻め続けた大嵩写真館号に軍配が上がりました。



<その他の取り組み>

技牛風神狙琉邪は、靖士富士の巨体とガン角の攻めに圧倒され、技を繰り出すことができずに、あっさり兜を脱ぎました。

トラムクーパンダは、無敗牛の強みで、歴戦の猛者松クロフネを圧倒。

逆にベテラン嵐気流は、ベテランらしく攻めたものの、相手の魁闘勇士ジュニアの返し技に互いの力関係を瞬時に読み取り、自ら背を向けて行きました。

体重差が明らかな錦大龍無双不発弾の闘いは、軽量で短い角の無双が、不発弾の角をかいくぐる様にして攻め、接戦を制しました。
★闘牛百話125.春の全島闘牛大会の結果

短い角を効果的に不発弾(左)の眉間に打ち込む錦大龍無双



10番戦東昇玄(とうしょうはるか)は、一年ぶりの実戦が不安視されましたが、現中量級王者一心力唯一黒星を付けた猛牛。好調のみゆき大力を2分で仕留めました。

これで、次の挑戦者の有力候補に浮上しました。

11番戦金功重機白王は、最近少なくなった褐毛和種の赤牛ですが、若牛らしからぬ攻めが目を引きました。軽量級に新たたスター候補の誕生です。
★闘牛百話125.春の全島闘牛大会の結果
希少価値の褐毛和種金功重機白王



12番戦荒岩台風は、8戦全勝の肩書きに偽りはなく、技牛の古堅モータース闘琉山の戦意を奪い、圧勝しました。

短期戦が多かった今回の大会ですが、どの牛も見事に調整され、それぞれの持ち味を十二分に発揮できた大会だったのではないでしょうか。

牛主の皆さん、本当にお疲れさまでした。

また、現場を盛り上げて頂いた闘牛士の皆さん、危険な仕事ですが、勇猛果敢な動きは見事でした。「ウシオーラサーん(闘牛士も)、ワカーターが(若手が)ハマトーンやぁ(良く頑張っているなぁ)!」と言う戦前の様子を語るお年寄りの声が、私の直後から聞こえて来ましたよ!


以下は、全取組の勝敗表です。

 勝者      時間(分.秒) 
全島一
荒風号       15.26   古堅モーターズ号

大嵩写真館号    12.37   丸石白龍  
  
中量級沖縄全島一
一心力       0.27   東山大力
           
軽量級沖縄全島一
成龍號      18.25   闘将☆メカ        

シュン大将     8.17   常勝会力丸                   

靖士富士      1.18   風神狙琉邪         

トラムクーパンダ 10.36   松クロフネ

魁闘勇士ジュニア  5.12   嵐気流   

錦大龍無双    16.32   不発弾

東昇玄       2.08   幸みゆき大力

金功重機白王    2.07   石川タッチュー

荒岩台風      8.13   古堅モータース闘琉山

克関上昇龍     2.09   二代目ひとめぼれ   
ドラゴン龍魂ソウル     


同じカテゴリー(闘牛)の記事

Posted by ゆかり号 at 21:34│Comments(0)闘牛
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。