2016年03月06日

★沖縄の年中行事’16-骨上げ式!-

★沖縄の年中行事’16-骨上げ式!-

個人の墓では見られない儀式として、「骨上げ」という儀式があります。

沖縄のお墓の作りには色々な形がありますが、うちの門中墓は、奥が四角いプール状になり、入り口は2か所あって、人が亡くなると左右の入り口の奥に骨壺を安置していきます。

(段々のピラミッド状で、上に上がって行く作りの墓もありますが、時が経つにつれて満杯になりますから、骨をプールする場所が必要になります。)

左右に骨壺を安置して、次の人が亡くなると、遺族が墓を開け、先に安置した自分の親族の骨を壺から出して洗骨して、奥の方にかえします。

先に亡くなった方々と骨が混ざることになり、まさに骨のプールになります。

そして、空いたスペースに亡くなった方の骨壺を安置していきます。

左右から順序良く亡くなった順に骨壺が安置され、次の人が入るまでそこに安置されます。

★沖縄の年中行事’16-骨上げ式!-



門中に不幸が続くと頻繁に墓が開けられ洗骨と骨上げが繰り返されますが、四十九日が終わるまでは骨上げはしてはいけないため、古い骨壺は側によけて、新しい骨壺が正面に安置されます。

うちの門中墓は、更に上の方に、戦前からある大きな岩の洞穴を利用して作られた古い本墓があり、13年に一回下の墓にある骨を上の本墓に移動していきます。

★沖縄の年中行事’16-骨上げ式!-



海が見える見晴しの良い場所にある本墓は、集落を望み、亡くなった方が家族を見守ると同時に、寂しい思いをしないで良いようにとの配慮でこの位置にあるのだと亡くなった祖母から聞かされました。

★沖縄の年中行事’16-骨上げ式!-



墓を包む岩には更に岩全体を覆うようにして樹齢数十年のガジュマルが根を張っています。

古い墓の入り口は、しっかりと蓋が閉められ、隙間は漆喰で塗り固められています。

★沖縄の年中行事’16-骨上げ式!-



何時次の方が亡くなるかは分かりませんから、この骨上げの儀式は突然やってきます。

何年も経ってから起きる場合もあれば、今回のうちのように四十九日が終わり、百日(ひゃっかにち)、新十六日(みーじゅーるくにちー)の直後に起きる場合もあります。

母が亡くなって4か月の間、このような法事ごとの連続でした。

骨上げは、新たに亡くなった方の告別式の間に行われます。

まず最初に、門中外の人(理由は不明ですが、この墓の門中外の住民で、干支が骨壺の中の人の反対に当たる人にお願いするのが習わしです)にお願いして、墓の入り口を叩いて墓を開ける合図をしてから、墓前に酒と水とお茶をお供えし、線香を挙げ、親族がバールを使って墓石を開けていきます。

そして、ススキの茎で作った魔よけのサンで三度体を叩いた後、頭から墓に入り骨壺を外に出し、お尻から出てきます(出る際も三度サンで体を叩きます)。

壺を開け、泡盛を浸したティッシュペーパーで遺骨を軽く拭き、再び墓の中に入り、奥のプールで壺をかえして遺骨を入れます。

空になった壺は、墓の南東側の専用の場所に廃棄します。

この洗骨という作業は、かつての風葬の名残ではないかと想像されます。

安置された遺体を次の人と入れ替える際に、衣服や皮、髪の毛などを拭き取り、綺麗に洗って骨だけを奥のプールに移動したのだと思われます。

骨上げの儀式を終えると、空いた墓には白い半紙を張り、魔物が墓に入り込まないようにします。

一族は家に帰り、仏前へのお供えと焼香者をお迎えする準備にかかります。

一人は墓に残り、猫やハブなどの動物が間違って入り込まないように、告別式を終えて次の方を安置するまで墓を見守ります。

自宅では、重箱と白い餅、盛り菓子、果物がお供えされ、告別式を終えた集落の人達や親戚・縁者が焼香に訪れます。

三月には、彼岸、清明(シーミー)、夏は初七夕、初盆、10月には1周忌が待っています。



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Posted by ゆかり号 at 06:17│Comments(0)沖縄の年中行事
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